安全への取り組み

BMW Motorradは、ライダーの安全を第一に考え、様々な取り組みを行っています。ABS(Anti-lock Braking System)機能やDTC(Dynamic Traction Control)機能など車両開発における安全技術への取り組みに取り組んでいます。
BMW Motorradは、これらの取り組みを通じて、ライダーの安全を守り、モーターサイクルライフをより楽しく、充実したものにすることを目指しています。

世界初のABS

1988年にBMW Motorradは量産二輪車に世界で初めてABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を搭載しました。ABSは急制動をかけた際に前後輪がロックすることを抑制して、車体のコントロールを可能にしながら制動距離を短くする技術です。現在では多くの国で義務化となっているこの安全装置を世界に先がけてBMW K1やK 100シリーズにオプションとして搭載したのです。初搭載からすでに30年以上の歴史を持つBMW MotorradのABSは、2000年代には世界の二輪ブランドではいち早く全車標準装備となり、現在も進化を続けています。

ASCの基礎研究

ASC(オート・スタビリティ・コントロール)は、駆動輪の空転を検知して走行中の安全性を高めるための技術です。滑りやすい路面や濡れた路面で後輪の空転をセンサーが検知すると、即座に駆動力をカットしします。もともとは四輪で実用化していた技術をBMW Motorradは二輪車で実用化しました。2000年代から基礎研究を開始、現在では多くのモデルでASCを搭載するとともに、DTC(ダイナミック・トラクション・コントロール)との組み合わせによって、さらに高い次元での安全性を実現しています。

ダイナミック・ブレーキ・ライト

交通社会の中で二輪車の安全性を高めるための装備が、ダイナミック・ブレーキ・ライトです。これは、ある一定上の速度域(50km/h以上)から急制動をおこなって、ある一定以上の減速Gを感知すると車速が14km/h以下になるまでブレーキランプを高速で点滅させるシステムです。そのまま停止するとハザードランプが点滅し、再び走行を開始すると点滅が自動で解除されます。このように、ダイナミック・ブレーキ・ライトは自車の急制動を後続車へと知らせて追突防止に繋げる安全技術です。

こうした技術は、あらゆる角度から二輪車の安全性を実現する「Safety 360°」という理念のもとに生み出したものです。

アダプティブLEDヘッドライト

ヘッドライトの内部に特殊な可動機構を設けて、車体の傾きに応じてヘッドライトが照らし出すエリアを変える技術がアダプティブLEDヘッドライトです。

たとえば、早朝や夜間の峠道でバイクが一定以上の角度に傾くと、アダプティブLEDヘッドライトのシステムが瞬時にヘッドライトの照射エリアを変更します。すると、通常のヘッドライトでは照射できないコーナーのさらに奥のエリアを照らし出します。現在は多くの車両でこのシステムを搭載しています。

アクティブ・クルーズ・
コントロール

アクティブ・クルーズ・コントロールは、クルーズ・コントロールを使用している時に自動で前走車との車間距離を保つ先進的な安全技術で、BMW Motorradが世界で初めて二輪車に採用しました。

このアクティブ・クルーズ・コントロールでは、車体前方にレーダーセンサーを搭載して前走車との距離を常に監視しています。車間距離は3段階に調整可能で、走行中に前走車との距離が近づいたり離れたりする場合は、ライダーがクルーズ・コントロールで設定した速度の範囲内で安全に加速・減速をおこないます。

また減速時にはライダーがブレーキ操作をせずとも、テールランプが点灯するシステムとしており、安全性にも配慮するほか、BMW Motorrad ABSとも連携して安全性をさらに高めています。

グリップヒーター

グリップヒーターは、ハンドルのグリップに電熱線を埋め込んで電気的にグリップを温める機能です。

このグリップヒーターの歴史は古く、第二次大戦中にはBMWが製造した軍用サイドカーにも用いられていました(当時は排気ガスの一部をグリップに導いて手元を暖めていました)。現代の電子式グリップヒーターの原型となるシステムは1979年に実用化しました。真冬の走行時はもちろん、春から秋にかけても雨天時にはライダーの両手はつねに冷気にさらされますが、指先がかじかんでしまうと左右のレバー操作やスイッチ操作にも影響を及ぼしてしまいます。しかしグリップヒーターがあれば、両手を常にあたためることができるので、ライダーは指先の感覚を常に保ったまま、普段と変わらない素早い操作が可能となり、安全なライディングができるのです。